冬の病気の代表といえばインフルエンザ。驚異的な感染力でみるみる感染して、毎年学級閉鎖、学年閉鎖のニュースが飛び交います。インフルエンザは風邪と違って、38℃を超える高熱や、全身の倦怠感など、かかると本人も看病する方もとても大変な病気です。しかし、飲む薬を間違うとさらに大変な合併症を引き起こす可能性もあります。今回は合併症についてと、看病の仕方、感染予防に心がけたいことをまとめました。
この記事のもくじ
インフルエンザについて
いつごろはやるの?
日本では例年11月~12月ごろから流行が始まり、1~3月にピークを迎えます。
潜伏期間は?
感染してから1~3日で発症
・38℃以上の高熱
・関節痛、筋肉痛、頭痛
・全身の倦怠感
・食欲不振 などの症状が急激に見られます。
受診のタイミングは?
けいれんがある、意識障害(両親がわからない、ろれつがまわらない、意味不明なことばを発するなど)がある時にはインフルエンザ脳症のおそれがあるため、すぐに病院へいきましょう。
高熱でも水分がとれていて意識もはっきりしている場合は、様子を見ながら過ごし、翌日受診しましょう。
インフルエンザ急性脳症
インフルエンザは38℃以上の高熱がいきなり出ます。普通の風邪や発熱なら解熱剤を使用してもいいのですが、インフルエンザウイルスに感染しているときに解熱剤を服用することはとても危険な行為です。
インフルエンザの場合は、解熱剤の種類によっては、けいれんや意識障害を引き起こす、インフルエンザ脳症やインフルエンザ脳炎になってしまう可能性があり、最悪の場合は死に至ります。
特にインフルエンザの感染が疑われるこの時期は、自分で判断して薬を飲まずに、必ず信用できる病院へ受診するようにしましょう。
看病の仕方、注意点
・食事やミルクで栄養をとれない場合は、経口補水液を少しずつ飲ませる
・寒がる場合は別ですが、厚着にさせすぎず、室温も適温に保つ
・冷たいタオルで頭や首の後ろ、脇の下、足のつけね冷やす熱が下がりやすくなる
幼稚園や保育園の出席停止期間
・発症してから5日すぎていること
・解熱後3日経過していること が一般的な条件です。
詳しくはかかりつけのお医者さんや幼稚園、保育園に確認するようにしましょう。
感染予防に心がけたい事
十分な栄養と睡眠
日頃からなるべく栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。
栄養のあるものを食べ、よく眠ることで免疫力が高まり、ウイルスをはね返す強い体がつくられていきます。
インフルエンザを撃退!おすすめの食材とは
〇良質のたんぱく質
たんぱく質は免疫力を高めるのに大活躍する成分です。1日3回の食事でバランスよく摂取するようにしましょう。たんぱく質は筋肉や血、骨などをつくるエネルギー源です。これらが不足すると、筋肉量が低下して疲れやすくなり、免疫力も落ちるので、インフルエンザだけでなく、さまざまな病気にかかりやすくなります。
(魚・肉・卵・大豆・豆腐などの大豆製品)
〇ビタミンC
野菜や果物に多く含まれています。体機能の調整をする役割があり、体内に侵入したウイルスと闘ってくれます。風邪予防に効果的なビタミンの一つです。また、酸化を防ぐ働きもしてくれるので、体の老化を進める活性酸素によるダメージから守ってくれます。アンチエイジングにも効果的なビタミンですね。
(パプリカ赤黄・みかん・アセロラジュース・パセリ・レモンなど)
〇ムチン
山芋やおくらなどネバネバの食材に多く含まれています。粘膜を保護する働きがあるので、免疫力アップにつながります。
〇その他
エネルギー源になる脂質(バターや植物性オイルなど)炭水化物(パンや米・芋など)
皮膚や粘膜の保護・身体機能の調整をするカロテン(緑黄色野菜・にんじん・かぼちゃ)
骨や歯をつくり、体内の代謝を調整する無機質(ミネラル)(海藻類・小魚など)
これらの食材を3食の中でバランスよく食べるように心がけましょう。
効果抜群!手洗いうがい
簡単なようで意外としっかりできている人が少ない手洗いうがい。指の間や爪の間、手首まで石鹸をつかって丁寧に洗い、しっかりと水ですすぎましょう。うがいは、小さいお子さんだとまだ難しいので、おうちの人が見本を見せながら、口に含んで「ぺっ」と吐く練習から始めてみてください。
適度な気温と室温を保つ
冬場の室内の環境は18~20℃を保つようにし、あとは衣服で調整するようにします。
インフルエンザウイルスは湿度50%を下回ると増殖するといわれているので、湿度はなるべく50~60%を保つようにしましょう。
また、子どもは大人よりも体温が高いので、室内で暖房がかかっている場合は薄着を心がけ、汗をかいて冷やすことのないようにしましょう。
部屋の換気
汚れた空気や乾燥した空気は器官や粘膜を傷めます。1~2時間に1回空気の入れ替えを行うのが理想です。
生活リズムを整える
帰省や家族旅行など、年末年始は楽しみが盛りだくさん。ついつい大人と一緒に夜更かしをしてしまいがちですが、なるべく生活リズムは崩さないようにこころがけましょう。まだ月齢の低いお子さんは疲れて熱を出す場合もあるので、お昼寝の時間やゆったり過ごす時間もなるべく確保するようにしましょう。
さいごに
普通の風邪と違って、感染力が高く、かかると脳症のリスクがあるインフルエンザ。なるべくかからないように、大人も一緒に予防を心がけましょう。抵抗力が弱っている時は、人ごみの中に行かないのも重要です。
予防注射は生後6カ月から打つことができるので、予防法と合わせて、大切な子どもをウイルスから守ってあげましょう。ウイルスに負けない強い体を作って、元気いっぱい冬を満喫してくださいね。
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