子どもは、絵本を通して言葉を覚えたり季節や行事を知ったり、想像力を働かせて非現実的な世界を味わったりしています。
前回は、夏に子どもに読んであげたい絵本について紹介しました。
今回はその中での、あきびんさんの「30000このすいか」の内容(ネタバレ)と、感想。また、作者であるあきびんごさんについてお話します^^
この記事のもくじ
30000まんこのすいかのネタバレ内容
スイカ畑の上でカラスが言いました。
「うまそうなのに明日市場に連れていかれるよ。食べられてしまうなんてかわいそう」
食べられるのは嫌だ!と、全員で畑から脱走することを決めました。
1,2,1,2.
川のごとくスイカが連なって山を登ります。
「おひさまのところへ行こう!」といって向かって進んでいると、峠を転がり落ちてしまいます。
地面でパッカーンと割れたスイカは、まるで真っ赤な色の花火のよう。
スイカの池に森の動物たち寄ってきて、美味しそうに食べるのか・・・と思ったそのとき、「びろびろびろーん。」と、池がまっぷたつに分かれ中から舌がのびてきて、くちびるおばけになります。
動物たちはびっくりして食べられないように大急ぎで逃げました。
一方そのころ、畑はスイカが逃げたと大騒ぎ!
パトカー10台
警察犬5頭
テレビの車3台
ヘリコプター
がかけつけます。
次の日、すいかのない畑の上で、からすがいつものように、ひそひそばなし。
見あげると、おひさま。
でもこのおひさま・・・
いつもより赤くて美味しそうだと思いませんか?
30000このすいかの魅力
畑一面に広がるスイカ。
そのスイカやスイカつるが、毛糸や紙などの貼り絵も用いられていて、立体感や同じスイカでもそれぞれ違うことが表現されています。
感想
子どもの絵本というと、だいたいがハッピーエンド。
謎めいた感じで終わる絵本も中にはありますが、結構少ないと思います。
この絵本は、スイカが花火のようにまき散らされて大きな湖になり、森の動物たちがみんなで美味しく食べたというオチなのかなと思いながら見ていると、
それが「びろびろびろーん」とクチビルおばけになる。
誰もが予想できないような展開を描けるあきびんごさんの発想力に惹かれました。
クチビルおばけになったところ、なぜか太陽になって畑を見守っているところ。「なんでやねん!」とつっこみたくなるような場面がちょこちょこあって面白かったです。
最後はスイカが太陽になるという終わり方で、その後どうなるんだろう、とそれぞれに想像させられる結末なのも面白いと思いました。
あきびんごさんの魅力
「びんごさんは、どうして、こんならおもしろい発想ができるんですか?」
と、よく聞かれるそうです。
小さいころは真面目が取り柄のような子どもだったそうですが、テレビで「ちろりん村とくるみの木」という作品を見て、衝撃を受けたそうです。
そこは、ピーナッツとスカンクがけんかをするような、常識ではありえない絵本の中のユニークな世界。
「すごい発想をするな。どうやってこんなこと思いつくのだろう。これをつくったような人が本当に頭の良い白鳥のような人だ。勉強がよくできるだけなんて、良いアヒルにすぎないんだ。」
と自分の中で意識が変わり、それからみにくいアヒルの子(白鳥)になろうと決心したそうです。
面白い・変わってる・やんちゃは、悪いから良いに。
正しい・素直は、正しいから?に変わっていったそうです。
そのような発想で、みるみる問題児へとなってしまったようですが、「これが自分らしさ。これでいいのだ。大丈夫。」
と自分自身を励ましていたそうです。
そして、
「アヒルの常識から見れば、白鳥の子はみにくく見えるけれど、白鳥の常識から見れば白鳥の子はアヒルの子よりもずっと美しく見える。早く白鳥の世界へ行きたい。そこでは評価されるだろうから」と自信をもちながら過ごしていたそうです。
シリーズ
あきびんごさんの本は他にもシリーズがあり、どの本も大人が見ても楽しめるような絵本です。
さいごに
是非書店で見かけたら一度読んでみて下さい^^
それでは、ありがとうございました♪
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