保育士と幼稚園教諭は「子どもに関わる仕事」として、とても似ているように感じる仕事です。私は就職して4年間幼稚園教諭として勤め、その後保育所へ転勤になり、保育士として仕事をすることになったので、どちらも経験することができました。その中で感じた職種の違いや、これから仕事を選ぶ人に伝えたいことなどをまとめたので、是非参考にしてください^^
この記事のもくじ
幼稚園教諭について
幼稚園教諭については、こちらの記事にまとめているのでご参考にしてください。
幼稚園の先生は公務員?給料や子どもが帰った後の仕事内容についても
保育士について
保育士とは厚生労働省が管轄している児童福祉施設で、児童福祉法に基づいて保育をします。幼稚園教諭に比べ、認可された学校で学ばなくても、通信講座などで受験資格を満たし、保育士試験に合格すれば資格を取ることができます。
国家資格であるため保育所に限らず、児童養護施設や乳児院、ベビーシッターとしても働くことが出来、活躍の場が多いのがメリットです。
子どもの対象年齢は
0歳~就学前が対象です。共働きの家庭や母子家庭など、保育を必要とする子どもが入所する場所です。
給食
義務
仕事内容
共働き家庭や母子家庭など、保育を要する子どもたちが入所しているので、教育と養護の両方の役割を担います。仕事内容は幼稚園とほとんど一緒で教育もしますが、幼稚園に比べると、「第二の家庭」のような雰囲気が強いです。
理由は、長い子は朝7時から夜7時~8時まで保育所で過ごすことと、0歳の赤ちゃんから同じ施設にいることだと思います。お楽しみ会やお誕生会とかしていても、どうしても赤ちゃんの泣き声が漂いますし、廊下を赤ちゃんがハイハイしていることもあります。
母親よりも先生と過ごす時間の方が長いですし、おはしの持ち方やトイレトレーニングなどのフォローもしていくので、どうしても家庭的要素が強くなります。
勤務はシフト制
幼稚園の先生は、朝園児よりも早く出勤して環境を整えて迎え入れますが、保育所の場合は早番でない限りは子どもたちの方が早く保育園について遊び始めています。なので、子ども達が来る前に遊びの環境を整えておくというのが難しいです。
換気や掃除なども早番の先生やパートの先生がしてくれます。
幼稚園と保育園の違いについて
対象年齢の違い
大きな違いは、同じ園の中に赤ちゃんがいるかどうかです。保育所は0~2歳の乳児もいるので、家庭的な雰囲気で乳児保育が行われます。行事のときの雰囲気が全然違って、幼稚園では子どもたちが育ってくるとだいぶ静かに聞けるようになりますが、保育園では同じフロア内に赤ちゃんの泣き声が聞こえるので、幼児も集中することが難しい環境です。
給料の違い
厚生労働省の、平成28年賃金構造基本統計調査によると、保育士の平均年収は約326.7万円。幼稚園教諭の平均年収は339.3万円だそうです。
ただ、幼稚園と保育園というよりは、公立か私立かでもかなり違います。私立は経営によって給料が異なるので、いい所は初任給でも20万円ほどもらっているし、少ないところは13万円ほどしかもらえません。これはそれぞれの自治体や園に確認する方がいいですね。
勤務体系の違い
幼稚園は子どもが来る前に全員が出勤するのに対して、保育園はシフト制で出勤します。土曜日に出勤した先生が平日のどこかで休んだりするので、月曜から金曜まで自分の段取りで保育を進めていくというのはできません。
保育園の子ども達はいろいろな先生に出会い保育してもらいますが、幼稚園の子ども達は、担任の先生との関係が濃いので、その先生の色が強くクラスに繁栄されます。
保護者の考えの違い
幼稚園は、子ども達が「行ってきます!」とおうちの人に挨拶をして登園します。一方保育園は、お母さんお父さんが「じゃぁ仕事行ってくるね」と言って、子ども達はお父さんやお母さんに「行ってらっしゃい」と言います。これは、それぞれの機関を象徴するセリフだと思います。
ケガや喧嘩に対する考えの違い
これも園によるとは思いますが、基本的に幼稚園ではケガや喧嘩の経験を重ねながら、自分で身を守る力を育てたり、喧嘩を解決する力を身につけていきます。故意にケガをするかも知れない環境をつくる場合もあります。ケガの場合は双方の親へ連絡をして経緯を説明し、ケガをさせた保護者には謝罪をしてもらうように促します。
一方保育園は、子どもを安全に預かるというのが基本なので、ケガに至ったのは保育士の責任という考えのところが多いです。ケガをさせた親にはいちいち連絡をしない場合が多いです。ケガに対する考え方が大きく違い、幼稚園から転勤した私は保育観の違いにすごく戸惑いました。
保護者と顔を合わす頻度の違い
幼稚園の場合は、バス登園であまり顔は合わせない場合もありますが、保育所の場合は送り迎えの時間が合わないとほとんど顔を合わすことがありません。
そして、問題は子どもがケガをした時。幼稚園ならお帰りの時間に子どもについて保護者に説明と謝罪をすればいいのですが、保育所の場合は保護者が働いているので、お迎えに来るまで残らなければいけません。5時ごろ上がるシフトでも、保護者が来るのを待って7時まで残るってこともあります。
残業は自分の仕事の進み具合でなんとかなることもありますが、子どもの突発的なケガで急遽残業になるのは大変でしたね。
先生の数の違い
幼稚園は園長・担任・養護教諭・その他、副園長がいたり配慮を要する子どもの個別のサポートをする先生がいたりします。
保育所の場合はシフト制なので、朝7時~9時や、朝8時~10時半のパートの先生もいれば、夕方だけ来る先生もいます。保育園によっては、無資格で子育て経験がある方が先生として配属される場合もあり、保育士の質について問われることが多いです。
保育日数の違い
幼稚園は、カレンダー通り土日祝が休みで、夏休みや冬休み、春休みの長期休みには子どもたちは休みになります。(先生たちは仕事があるのでほとんど出勤です)
保育所は、土曜日も人数は少ないですが保育の受け入れをしていて、年末年始以外の長期休みはありません。お盆でもジャンジャン来ます(笑)
どっちにするか迷う場合は
3歳未満の赤ちゃんや乳児が好きで、乳児保育に興味がある方は保育園がいいです。また、保護者が働いているので、保護者参加の行事も少なく、日々子どもと一緒に生活しているような感じで保育を進めていくことや基本的な生活の支援をすることに魅力を感じる場合は保育園がいいですね。
一方、乳児よりも幼児と一緒に、話し合って自分たちでクラスを作り上げていく感じが好きな方は幼稚園がいいです。
どうやって決めたらいい?
公立と私立にもよりますが、子育てしながら勤めやすいのは保育園です。理由はシフト制や複数担任、フリーの先生もいてくれているので、妊娠中につわりのフォローや、子どもが熱を出して早退しなければならないときのフォローなどをしてもらいやすいです。
幼稚園は、担任は自分ひとりしかいないので、自分が抜けたら保育はすすめられません。他の先生が子どもを見てはくれますが、見てくれる先生もいないくらいカツカツの幼稚園では、なかなか抜けづらく、仕事を優先している先生はどうしても家庭を犠牲にしてしまっていると言っていました。
本当にどちらか迷っている場合は、子育てして家庭と両立させたいのであれば保育園を選ぶ方がいいのではないかと私は思います。
それか、認定こども園のような、幼稚園のような教育機関でありながら、乳児の受け入れもしているようなところを選ぶと良いですね。
認定こども園
保育園の待機児童問題を解消する目的で始まった施設で、幼稚園の教育機関としての役割を担いながら、待機児童の多い0~2歳までのお子さんも預かります。年々その数は増えていて、こども園によって形態がさまざまなので、認定子ども園へ勤める場合は、事前によくリサーチしてからの方がいいですね。
さいごに
幼稚園教諭と保育士、どちらにも大変さとやりがいがあって決めるのに悩みますよね。それぞれのやりたいことを最大限に生かせる職場を見つけられるように、たくさん悩んでできるだけ現場の先生の声を聞いてくださいね^^
今後は、幼稚園と保育園の保育の違いについてもまとめていくので参考にしてもらえると嬉しいです^^
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