新学期は新しい環境になり、すぐに生活に順応して楽しめる子どももいれば、なかなかなじめずに不安でいっぱいの子どももいます。中には、「行きたくない!」と泣いて号泣する子どももいます。そんな時に親としてどのように対応するのがいいのでしょうか?幼稚園教諭時代の経験や、その時の対処法や実例を元にお話しします。
この記事のもくじ
行きたくないという理由
大きくわけて2つあります。「幼稚園に何か嫌な原因がある場合」と、「特別な理由はないけどお家がいい(ママと一緒がいい)場合」です。
ママにしてほしいこと
まずは行きたくない気持ちを受け止めてあげましょう。「なんでそんなこというの?楽しいよ!先生も友達も待ってるよ!」と言ってしまいがちです。
しかし、中には「そんなに嫌なんだったら少しくらい休んだっていいんだよ」という気持ちでママに優しく受け止めてもらうことによって、安心して登園できるようになった子もいます。
理由を聞く前に、「そっか。嫌なんだね。行きたくないんだね。」と、まずは気持ちを受け止めましょう。
次に、理由を尋ねます。
行きたくない理由の尋ね方
あくまでも「ママはあなたの味方だよ。一緒に解決したいから教えて」という姿勢で聞くのがポイントです。
「何が嫌なの?」
「一緒に先生に言ってあげようか?」
明確な理由がある場合は、聞いてもらってすっきりしたり、担任の先生に相談することで解決する場合もあります。
例えば、「荷物をどこに置くかわからない」といった場合は、「先生に覚えるまで手伝ってもらうようにお願いしてみよう!」といってみたり、「友達と遊べない」といった場合は、「先生にお友達と遊びたいから手伝ってってママからお願いしとくわ」などですね。
ママと離れるのが嫌な場合
幼稚園に行きたくない原因が、幼稚園ではなくママと離れるのが嫌だという理由である場合が多いです。ここでも気持ちを受け止めて、離れていてもちゃんと見守っているという気持ちを伝えることが大切です。
頭ごなしに「行きなさい」と言われると、突き放された気持ちになり、ますます悪循環になります。
送り出すときの心構え
こちらにまとめているので参考にしてください。
幼稚園に入園初日に大泣きした場合は?親としてどのように対応すればいい?
泣くのは最初だけ
基本的には、母親と離れるときに大泣きしていても、数十分もすれば泣き止んで楽しそうに遊び始めます。母親が不安な表情を見せていつまでも廊下で見ていたりすると、子どもは期待していつまでも泣き止みません。
子どもが泣いているときこそママは堂々とした態度で、笑顔で「いってらっしゃーい!」と見送ってあげてください。幼稚園の先生もたくさんの引き出しをもっていてあの手この手でその子が楽しめる何かに導いてくれます。
大丈夫です!^^
普段から幼稚園の楽しさを伝えるようにする
何気ない時にお友達と遊んで楽しかった話をしたり、「幼稚園の何が好き?何しているときが楽しい?」と、楽しさを共有できるようにフォローしてください。
どうしても行きたくない場合は行かせない方がいいの?
多少泣いたり嫌がったりしても、ある程度は無理に先生に引き渡してしまっても大丈夫です。
泣くのははじめだけで、友達が遊んでいるのを見るとだんだん機嫌がよくなって楽しそうに遊び始めます。お迎えのときに「どうでしたか?ずっと泣いてたんじゃ・・」と心配される方もいますが、本当に早ければ数分、長くても数十分で機嫌はよくなります。
ただ、お母さんにも先生にも手に負えないほど嫌がる場合もありますよね。さすがにこの状況で引っ張り出して保育したところで何も生まれないだろうな。ってくらいの状況もたまにあります。
「1日休ませたら癖になってしまいそうで休ませるのが怖い」という気持ちは痛いほどわかりますが、「今日お休みしたら明日は行こうね」と約束をして、1日くらいゆっくりお母さんの元で過ごす日があってもいいと思います。
それが2日3日と続くようなら、幼稚園側でアプローチする必要があるので、連絡を密にとるようにしてください^^
子どもは素直なもので、気持ちが安定して、心が動いた時には自然と興味のある方に足がむきます。
実は子どもも心の中ではわかっています。
「幼稚園はおもちゃもいっぱいあってお友達もたくさんいて、先生も優しそう。楽しそうだな。行きたいな」
万が一数日家で過ごしたとしてもだんだんつまらなくなって、幼稚園に行きたくなります。実際に勤めていた時も、一度休んだのをきっかけになかなか出てこれなかった子どもはいませんでした。(もちろんただ待っていただけではなくて、適切なアプローチは必要でしたが)
「ずるずる休むのでは。」と疑うのではなく、まずはお母さんがお子さんのことを信じてあげてください。
登園を泣いて嫌がったパターンの紹介
実例1
お兄ちゃんが運動会の代休で学校がお休み。家にいるのをわかっていたので、普段は泣かないのに号泣して帰りたいとごねまくったA君。そりゃ家にいて家族で過ごしたいですよね。この日は「無理しないでいいから、また来たくなったらおいで」といって家に帰しました。その日は戻ってきませんでしたが、翌日何事もなかったかのように登園してきました。
実例2
とにかく幼稚園が嫌で激しく怒り泣きわめくBちゃん。他に34人の子どもたちがいていろいろな子どもの受け入れをしないといけないので、担任の力だけではどうにもできず、園長や副園長とも連絡を密にとりながら協力してフォローしていました。
母親とも密に連絡をとり、ある日は気が済むまでお母さんと廊下で過ごす。ある日は無理に登園させてみる。ある日は家に帰してみる。いろいろな方法をとること数か月。お母さんからは「先生のことは大好きみたいです」「遊びたいけど恥ずかしいって言ってます」など、ささいなことでも教えてもらい、幼稚園での様子も細かく伝えてきました。
そしてある日。急に泣かずに登園してきました。そしてめちゃめちゃ楽しそうに部屋で遊んでいます。昨日と今日の間に何が起きたのか、お母さんにも私にも未だにわからずじまいです(笑)
でも、子どもはいつだってそうです。大人からしたら、「ただ大声で泣きわめいている」としか思っていませんでしたが、彼女なりにいろいろなことを考え、気持ちを整理しながら、発散させていたのでしょう。
最終的に、その子を2年担任させてもらい、年長になるころには発表会で堂々と演技をしたり、下の学年の子のお世話をしたり、立派で頼れるお姉さんへと成長していきました。
あの時無理強いせず、保護者にも協力してもらいながら付き合い通してよかったと今でも思っています。幼稚園教諭生活の中でも本当に思い出に残るクラスでした(笑)
担任の先生に申し訳ないとか、いつまでも大きな声で泣いてうるさいとか、気にしないでいいです。あなたのお子さんだけでなく、そういった子どもはちょこちょこいますし、幼稚園の先生もいろんな方法でアプローチしながら、教師根性を育てていきます(笑)
さいごに
ペースは子どもによって違いますが、2年間、3年間と通う幼稚園生活。その中の数日くじけたって大丈夫です。子どものもっている力はすごいので!子どもを信じて、先生を頼って、安心して幼稚園へ向かってくださいね^^
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