コウノドリ2で取り上げられる、「トーラック出産」。
「トーラック出産なんて聞いたことがないけど気になるぞ」という方のために、ここではトーラック出産やそのリスク、そして、「リスクが高いというけど、じゃぁ失敗することってあるの?失敗したらどうなるのだ?」という疑問について、調べたことをまとめてみたいと思います。
トーラック出産って何?
トーラック出産の「トーラック」という言葉。
そもそもこの言葉の意味がどういうことかと調べてみると、トーラック出産は英語で「TOLAC」と書くそうです。
もちろん、これは頭文字をくっつけた言葉で、実際には「Trial of labor after cesarean section」という言葉。
直訳すると、「帝王切開後の自然分娩への挑戦」ということで、帝王切開をした妊婦さんが、そのあと自然分娩(経膣分娩)、ようするにお腹を切らずに下から産むことに挑戦することを指します。
トーラック出産に成功すると、「VBACした人」となるようで、VBAC(ヴィーバック)というのも、英語の頭文字を合わせたもので、「Vaginal birth after cesarean delivery」。
直訳すると、「帝王切開出産後の経腟分娩」となりますね。
なんでトーラック出産に挑戦をする妊婦さんがいるの?
トーラック出産には、やはり挑戦したくなるメリットがあるのですね。
帝王切開だと、お腹を切らない出産に対して、入院期間が長くなります。術後の体の回復も遅い傾向にありますね。
なんといっても自分のお腹を大きく切る大手術なわけですから。
なので、上にお子さんがいる場合、なるべく長い期間離れたくないお母さんにはうれしい、入院期間が短縮できるというメリットがあります。
もちろん、お腹を切っていないので、出産後の痛みも少ないですし、出血量なども少なく済みます。さらには、母子感染などのリスク、分娩後の血栓発症のリスクを予防できますし、帝王切開をし続けることで起こってしまう心配のある癒着胎盤といった合併症のリスクも減少します。
また、一度も経腟分娩で産んだことのないお母さんは、経験したいと思われる方も多いようです。
トーラック出産のリスクはどんなことが考えられる?
トーラック出産には、もちろんそのリスクも十分考慮しなくてはならないのですね。
まず、一番心配なのが子宮破裂のリスク。
名前だけ聞くとめちゃめちゃ怖くないですか?チャレンジする気が私ならなくなってしまいます。
文献によってばらつきがあるものの、どの文献もトーラック出産では「子宮破裂のリスクが高まる」としており、帝王切開を経験したことのない女性の経腟分娩の場合は子宮破裂のリスクが0.01%なのに対し、帝王切開を経験している人のリスクは10倍から100倍になるといわれています。
帝王切開経験をしたことのある妊婦さんの帝王切開での子宮破裂の発生頻度は0.16%なのに、トーラック出産の場合は0.52%というリスクの高さになるといわれているようです。
陣痛促進剤はできるだけ使わないなど、リスクを避ける工夫と、医療技術の高い病院で行うことが大切ですね。
また、脳性麻痺など、赤ちゃんの体へ重度の障がいを残してしまうこともあるようなので、トーラック出産を行う場合には、家族と医師と何度も考えられるリスクやその対応について話し合いをすることが、求められますね。
トーラック出産に失敗するとどうなるの?
「リスクが高い」とはいうものの、では結果出産が上手くいかない場合は、どうなるのでしょうか?
まず、上手くいかないときのリスクとしては、子宮破裂、子宮摘出のほか、出血多量、感染症のリスクが上がる、最悪の場合は、赤ちゃんの命が助からないこともあるようです。
トーラック出産ができる人の条件
リスクも高いトーラック出産、挑戦できる人には条件があるようです。
・子どもの頭と骨盤の大きさを測って、経腟分娩で問題ないと診断されること、
・帝王切開で切ったことがあるのは過去に1回だけであること
・帝王切開は横に切られているもの(子宮下節横切開)
・術後の経過が順調だった
など。
陣痛から始まる、出産日の読めない出産に対して、帝王切開は出産する日にちを決めて、事前に入院します。ただ、出産時のトラブルなどで、緊急で帝王切開になる場合があります。
その場合は、事前に予定された帝王切開よりも大きく縦に切られているかと思いますが、そのため緊急帝王切開で出産を経験された方は、トーラック出産は許可してもらえないことが多いそうです。
また、子宮筋腫摘出などで子宮体部筋層に届く手術をしたことがない方、ということで、子宮関連の手術経験者は帝王切開で出産となるようです。
さいごに
メリットよりもリスクの方が気になるトーラック出産。
それでも挑戦したいと思うのは、“出産”に対するなんらかの価値観が影響しているのでしょうか。それとも、帝王切開という手術の後の回復がとても大変で、もう二度とお腹は切りたくないと思っているか。
私は帝王切開の経験がないのでそのあたりはわかりません。でも本当に術後は辛そうです。。
コウノドリの中で、「帝王切開も、無痛分娩も自然分娩も、どれも立派なお産。」「育む気もちや愛情は赤ちゃんとの生活の中で、赤ちゃんが教えてくれる」とサクラが言っていました。
どんな形であれ、愛しい命を産み出すことは、何にも代えがたい立派な役目であり、幸せなことだと私は思っています。
それではありがとうございました~♪
